〜 Part 1 「Bapakと私」 〜




4/27(木) はじめての出会い。

今日はBapakがお見えになる最初の日ということで, 17時(会社の定時)になるやいなや,周囲を伺いそそくさと練習に向かった。 「いや〜もう18時半近いし,もう始まってるかなあ」と思いつつ アトリエの引き戸を開けたところ,そこはでかい円陣がつくられており みな食事の最中であった。

「うっ?あの人は一体???」

くりくりっと長めのパーマのかかった,ピンクが素地になったイカット?の ジャケットをお召しになった方が。

一昨年音工場でお見かけした時の印象とあまりに違っていたので 私が考えていた方とは人違いかもしれない,ととまどうことしばし。

「いかにも『私は芸術家です』って感じだ・・・」

私の芸術家イメージ=髪型は長めないしはスキンヘッドで,誰も着てない様な服 を着ている。 (おそろしく貧困なイメージとは思うがしょうがない。)

緊張したままその日は過ぎたのであった。


4/28(金) 練習(U氏宅)+国立音大:新歓

ありがたいことにBapakに練習をみていただけるということで, Nちゃんと二人でU氏宅へ向かった。 F練習隊長は既に到着し,ガムラン小屋の前でくつろいでいた。 ガムラン小屋からは,Yさんがクンダンの稽古を付けていただいている音が聞こ えてくる。 天気はいいし,のんびりしてるし,なんだかまるでバリみたい。

で,自分たちの練習がいよいよ始まった。 相談の結果,ガンサのサンシが今一つよく分からなかったので,そこを見ていただ くことに。 朝から近日まれにみる猛下痢で意識混濁気味だった私は 物わかりがいつも以上に恐ろしく最低で,結局同じ所を延々と延々とやっていただ いてしまった。 嫌な顔ひとつせず,御指導賜り本当にありがとうございました。

お昼ご飯で,Yさんが買ってきてくれたお弁当を選ぶ段になり Bapakがダイエット中と知る。本人は「かなり太っている」と思って悩んでいる様子 。 バリでも日本でも,肉は避け,野菜ばかりを食べているようだ。 肉屋の娘としてはちょっと不満な食生活だ。 しかし,Bapakのお話を伺う限り, 運動もあまりしていない様子だし,糖分を控えている訳でもないようなので あまり成果は期待できない...と思う(すみません)

食後,「ほかに質問は」コーナーにて 「速いコテカンの所になると,力ばかり入って全然できないのですが」という私の 質問に Bapakはお手本を見せてくれました。

「腕じゃなくって,手の向きで動かす。」

なるほど,指というかひねりというか,とにかく腕は固定してる。 手首から先だけが痙攣したかのように細かく動く。すごい!!
思わず,Bapakの右腕に手を置いてみたくなった。

どういう力の伝わりなのか触りたくなった。 躊躇せずやればよかったなあ,と悔いが残った次第。でも恥ずかしいよなあ。

その後,練習隊長からのリクエストにて,Bapakにグンデルをひいていただき 「なんでこういう柔らかい音がでるのかな〜」と話しつつ 午後の時間はゆったりとすぎていくのだった。

その後,いよいよ国立に行く時間となり,渋滞気味の車ではらはらしたものの, どうにか間に合い,ほっと一息。 Bapak,衣装に着替える前におもむろに櫛を取り出して整髪。 「いや〜髪がこんなだろ,乱れちゃうからさ」というようなことをおっしゃってい た(と思う) 結構おしゃれに気を配っているとみた。

今日は国立でBapakとお別れ。
Bapakはこの後,国立の練習をみたそうです。ご苦労様でした。


4/29 パート練習

体調があまり好転せず,なんとなく重い足取りでアトリエにむかう。 「でもBapakがきてるんだから,がんばろう」と自分を盛り上げつつ進む。

今日はパート練ということなので,強弱をやっていただいた所 目の前で手を振り(頭を振り)体全体で強弱を表すBapakの姿.... おばさんパーマ(失礼)が宙に舞う! 分かりやすい!ほんとうに分かりやすい!!のだが 一瞬,笑いがこみあげてしまった....(ごめんなさい)

「ベートーベンみたいだった」とは,Yっちゃんの説でしたっけ? 同感です。 指揮者でした。ほんとに。

休憩時間の時,今日のBapakが着ている 白いサマーセーター(透かし模様付)とゆるめのパーマの後ろ姿が 「近所の商店街にいるおばさん」に見え,また一瞬笑いのつぼにはいりそうだった のですが かっこいいカジャール,クンダンをやっているお姿を見るにつけ 「やっぱりかっこいいねぇ〜」とほれぼれしてしまうのでした。

私,やっぱり自分はミーハーだと思ったひとときです。



ガムラン・グループ スカル・ジュプン